8つ下の従姉妹はピアノ演奏会に出場したことがある

数年前の2012年12月のクリスマスを迎えようとしていたある日、私は小学校4年生の従姉妹の住む街へ出掛けました。 従姉妹が出演するピアノ発表会の演奏を、見に行くためです。 私の他には私の家族と、従姉妹の家族と祖父母が一緒に居ました。 従姉妹の前田凛音(仮)より5歳上の妹もピアノ経験があるのでアドバイスをしていましたが、凛音は緊張のせいか周囲をキョロキョロと見回して挙動不審でした。 そうこうしているうちに時間になったので、従姉妹と別れ会場内の見学席に行きました。 ちなみに座った席は、会場のほぼど真ん中です。 従姉妹は40人中10人目に、クラシック曲の「カノン」を演奏しました。 カノンは音楽に疎い私でも知っているほど有名で、心が安らぐ穏やかな曲です。 その穏やかなカノンを、背を真っ直ぐに伸ばして座り会場内に響かせます。 凛音の家にピアノがあるのは知っていましたが弾いているところを見たことがなかったので、キリリとした表情で堂々と演奏する姿に、驚愕しました。 彼女と私は8歳も歳が離れていますが、そう感じさせないほどその日は凛々しく見えました。 それから上位入賞は出来ずともやりきった表情をしていた従姉妹に、最後まで諦めない事の大切さを学んだ気がします。